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名張育成園ニュース
更新日 2010年4月12日

名張育成園、発達支援グループ(児童デイサービスどれみ、なちゅ、ゆぅら、児童寮、ぱれっと)では2年前より、名張育成園特別事業顧問の久保義和先生を講師に迎え、発達支援に関わる地域の方を対象に、公開講座を開講してきました。

今年度は、「発達障害実践講座~発達障害を理解するための方法/心理検査~」と題し、年間10回の講座を開催します。これまで2年間の久保先生から教えて頂いた、基本的な考え方を踏まえ、発達障害がある子ども達の具体的な姿を理解するために、心理検査について受講生と共に学んでいます。

3月9日「知能検査WISC‐Ⅲ Ⅲ.応用の方法」

今回の講座は、WISC-Ⅲの概略の説明の後、心理の専門家ではない私たちが、WISC-Ⅲの結果を子どもとたちの支援に活かす場合、言語性と動作性の有意差に注目する以上に群指数特性を検討することが望ましいと教えて頂きました。
プロフィールパターンについてどのようなことが分析出来るのか、一つ一つ確認していきました。一般的な説明では、分かりやすいようにスキルを重視し、子どもの姿が平均化されていることがありますが、その説明では本来の子どもの姿が見えないと感じました。検査の試行方法を知ることは勿論ではありますが、検査の理念や課題の特性を十分に知り、検査を使うことが大切であると思いました。

3年間続けてきた講座ですが、今回で発達障害がある子どもたちの支援方法などについての講座は終了になります。3年間を通して久保先生に教えて頂いたことは、子どもたちへの深い愛情と私たち支援者の役割であると思いました。
久保先生に教えて頂いたことを大切にしながら、子どもたちと日々、向き合えたらと思います。3年間、ありがとうございました。

2月16日「知能検査WISC‐Ⅲ Ⅱ.分析の方法」

今回の講座はWISC‐Ⅲの結果プロフィールを基に、事例検討を行う形で行いました。

WISC‐Ⅲの結果の分析の仕方は、ケースの全体像を掴んだ後、プロフィールが見せる特徴を分析していきました。次に群指数や各項目が示す内容を見ていくこと、同じような指数であっても、一人ひとりの子どもを捉えるためには、子どもが見せた行動の内容を分析することが大切であると教えて頂きました。
しかし、一種類の検査だけでは子どもの姿を捉えられないこと、そして、テストを行う目的は、子どものため以外の何ものでもなく、そこには子どもたちを支援する私たち、それぞれの役割をきちんと認識することが大切であると思いました。

12月15日「知能検査WISC‐Ⅲ Ⅰ.概論・解説」

各々の検査は、検査自体の理念や目的、つまり個性を持っていると言えます。今まで、学んだK式やK‐ABC検査の個性を基礎知識として、今回より、3回の連続講座で、「知能検査WISC‐Ⅲ」について学びます。

WISC‐Ⅲ検査の個性は群指数にあり、徹底的に群指数が示す意味を分析すると、具体的な子どもの姿が見えてくると久保先生にお話して頂きました。また事例を使い、群指数を分析することで子どもの状態像をイメージする時間となりました。
最近の傾向として診断名や検査数値で子どもを捉え、対応スキル重視が見られますが、発達障害がある子どもたちを支援する私たちは、診断名や検査数値ではなく、子ども個人を見る大切さをあと2回の講座を通して学ぶことができればと思いました。

11月24日「知能検査(認知)K‐ABC心理・教育アセスメントバッテリー Ⅲ.応用の方法」

「知能検査(認知)K‐ABC心理・教育アセスメントバッテリー」検査の第3弾として、ケース事例を基に具体的な解釈を踏まえ、K‐ABC検査を通して見ることができる子どもの状態像や教育現場での支援の方法について久保先生にお話頂きました。

ケース事例の検査結果や様々な情報から、子ども自身が抱える苦労やそこを補う努力が見られ、見せる現象だけではなく、本質的な部分を一つ一つ丁寧に教えて頂きました。
実際、K‐ABC検査の説明については、理解するために難しい概念や言葉がありましたが、ケース事例を具体的に捉えると、検査自体の奥深い意味を知ることができたと思います。 検査は、検査を通して子どもの姿を具体的に捉え、分析し、その結果を日々の支援に結びつけることが目的であることを久保先生は強く言われていました。
そのために私たちは何を学ばなければならないか、数値だけで子どもを説明するのではなく、自分たちの目で子どもたちを見て、本質は何か見極める力を身につける必要があると思いました。

10月20日「知能検査(認知)K‐ABC心理・教育アセスメントバッテリー Ⅱ.分析の方法~」

「知能検査(認知)K‐ABC心理・教育アセスメントバッテリー」検査の第2弾として、より深く理解するために、検査で使われている語句の意味や検査項目をどのように分析するか、久保先生のお話頂きました。

この検査を分析し、解釈をするためには、一般的な手引書で示されている以上に、人間が持つ思考や言葉の処理、視覚認知の仕方などを理解し、検査結果の有意差ではなく、本質に何があるか考えることが必要であると教えて頂きました。久保先生のお話は、知識が多岐に渡り、なかなか理解することが難しい面もありますが、従来型の知能検査ではなく、この検査は「人の能力を未来志向的に捉えることができる」ということだけは押さえなければならないと思いました。
私たちの目の前にいる子ども達の「未来」をどのように意識し、支援していくか、検査だけではなく、支援者が持つセンスも問われていると思いました。

9月15日「知能検査(認知)K‐ABC心理・教育アセスメントバッテリー Ⅰ.概論・概説~」

今回より、3回の連続講座で、「K‐ABC心理・教育アセスメントバッテリー」について、学びます。
その第1弾として「知能検査(認知)K‐ABC心理・教育アセスメントバッテリーⅠ.概論・概説~」と題し、久保先生にお話頂きました。

「K‐ABC心理・教育アセスメントバッテリー」という検査ですが、一般的に使用されている検査ではないため、どのような検査であるかをまず名張育成会の臨床心理士より、検査項目と検査内容についてのデモンストレーションがありました。このデモンストレーションで久保先生は検査内容で注目すべき視点について解説をして頂きました。その後、この検査をより理解し、子ども達の支援に活用する為に、久保先生はこの検査が持つ背景や特異性について、またこの検査が他知能検査との違いや類似点について説明して頂きました。実際、今回の講座では、検査の概略説明が中心であったため、検査内容を理解する段階までは至りませんでしたが、この検査は発達神経心理学を基盤としていることだけは理解できました。これから事例などを通して、学び、より深く理解していければと思っています。

8月18日「発達検査~新版K式 Ⅲ.応用の方法」

「発達検査 新版K式」検査の最後は「発達検査~新版K式 Ⅲ.応用の方法」について久保先生のお話頂きました。

今回は、前回の講座で教えて頂いた、発達検査は、子どもの“能力”を図る検査ではなく、子ども一人ひとりの“成長”について見るものであり、検査結果から子どもをより深く理解するための手段であることを復習した後で、架空事例を使い、検査結果の具体的な解釈の仕方について学びました。
私たちは結果を見て、子どもの出来ない部分(プロフィールが落ち込んでいる部分)に注目しがちになりますが、大切なのは課題に取り組む姿勢を観察すること、その観察から子どもの困難さや努力している姿を読み取ることです。また、子どもは様々な場面に適応するために多くの努力をしていることを認め、その手助けする糸口を見つけることが、私たちのするべきことなのだと教えて頂きました。

5月より3回に渡って「発達検査 新版K式」検査について、久保先生に教えて頂きましたが、子どもを支援する私たちは、子どもが健康に成長するという信念を持って、「発達」という視点に基づいて理解していくことが大切であることを教えて頂きました。

7月21日「発達検査~新版K式 Ⅱ.分析の方法」

「発達検査 新版K式」検査の第2弾として、「発達検査~新版K式 Ⅱ.分析の方法」について久保先生のお話頂きました。

K式検査の項目は、①運動の段階②随意的な段階③意図行為の段階、と行動を三段階に分け、捉えることを学んだ上で、課題項目の分析の仕方について学びました。例えば、第1~2葉にある、『7積木』の課題では、行動を三段階に分けた視点で子どもの行動を考えた場合、P4『掌把握』は①の段階、P3『口に運ぶ』は②の段階、P7『持ち替え』は③の段階になります。発達検査において、この項目が出来る/出来ない、を判断することが本質ではなく、検査課題に対して“どのように取り組んだのか”が重要になります。私たちは検査課題を通して、子どもの行動観察を行い、“成長”を見ることが大切です。また、子どもと関わる私たち一人ひとりが、その子どもの「発達」をどのように見るのかという“視点”を持つことがとても大切であることを教えて頂きました。

6月16日「発達検査~新版K式 Ⅰ.概論・概説~」

今回より、3回の連続講座で、「発達検査 新版K式」検査について、学びます。
その第1弾として「発達検査~新版K式 Ⅰ.概論・概説~」と題し、久保先生にお話頂きました。

発達検査と知能検査は目的や意味解釈の仕方が全く違います。
発達検査とは子ども一人一人違うことが前提とし、その子どもの固有の発達の型があると捉えています。その“個”を捉えるために、発達検査を行う、私たちが捉えるべきなのは、その“子ども”であることを十分に理解する必要があります。そのためには、発達検査の“理念”や“考え方”を正確に理解し、視点を作ること、それを基に、私たち自身が“考え”、“解釈”することがとても大切であることと、発達の変化が激しい乳幼児期に行う新版K式の、発達の理念、葉から見る項目の意味、乳児期の行動を三段階に分け捉えようとしている意味など、新版K式の真の意味を教えて頂きました。

5月19日「発達障害を理解するための方法~心理検査の意義と活用方法~」

今回の講座では、個別の心理検査の概論を学ぶ前に、発達障害がある子ども達に、知能検査や発達検査をする考え方や目的、基本的な活用の方法について学びました。
世の中には、知能検査や発達検査など様々な心理検査があります。 発達障害の子ども達を理解するために、検査を行っていますが、実際、検査で得られた“数値”だけに注目し、その“数値”から子どもの状態を理解している現状があると思います。 しかし、久保先生は、子ども達の状態を理解するためには、検査を具体的かつ効率的に使う必要があると言われていました。 そのためには①検査自体の特性をよく知ること、②検査の“理念”を理解すること、③「子ども」である特性を最大限に利用して検査を行う、④「人」の特性を利用して検査の解釈をする、という4つのポイントが大切であると教えて頂きました。

私たちは「発達障害」や「数値」と付き合うのではなく、発達障害がある「人」が環境との葛藤を少なくし、その「人」の生き方を支えることが大切であることを改めて教えて頂きました。
これから、「人」を理解する方法としての心理検査について、学んでいきたいと思いました。

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